剣の随筆
- 2015/08/02
- 01:50
わたくしは先日、万が一武術が東京開催の五輪種目になった場合は法律改正が必要になってくることを言及しました。理由は本日の動画の中で使われている剣は日本国では使えないです。私が知っている限り、中国国内の制定武術の試合は鉄剣が常識です。例えば、いきなり日本のルールに従わせてジュラルミン剣を使わせても多分は短期間では慣れないでしょう。勿論、決定の時点から五輪迄はけっこうな時間があって、日本国の憲法改正は時間がかかることで有名という点から考えると、おそらく、中国選手がジュラルミン剣に慣れることから五輪に望みます。五輪は少なくとも機械という点では確かに平等という項目がありますが、それぞれの選手が違う種類の道具を使うと、どこかで不平等と訴えられるから無理でしょうね。
しかし、そもそも武術という種目は世界での人口がどの位で、五輪で闘える選手はどれ程に育てているのは、私という伝統武術人間ではわかりません。日本はもしも、武術が正式種目になってもメダルが増えるわけではない為、国としては可能ならもっとメダルが取れる種目を取り入れることになるのでしょうね。言い換えれば、武術という種目を選考種目として入れたのが国のパフオーマンスであって、実質、武術が正式種目になる可能性は極めて低いと見てもよろしいでしょう。ならば、ジュラルミンとか鋼とかの議論をすること自体も無駄です。
一方、中国国内では著名制定武術選手や伝統武術家元の先生の皆は色々な剣を所蔵することは当たり前です。一般的では龍泉剣のかなりよい奴ですね。勿論、自腹ではなく、色々な学生の進呈や剣を生産している会社の進呈がほとんどでしょう。日本円で数百万円の高級品もあります。持っている剣がその武術家の身分の象徴の代名詞のように、人々は本当の実力よりもこのような修飾に視線を行ってしまうのも人間界の不変の規律のようですね。このような傾向は中国では特に目立っているようです。その人間の社会的地位を見分けるには、持っている鞄、めされているお洋服しかないような考えはどうも根強いのようですね。そして、昔からその逆手を取って、本当の大金持ちは強盗に遭うことを恐れて、庶民と変わらない装いをして誤摩化します。
剣の話しに戻りますが、師呉英華も馬岳梁も普段の教えや公園での表演などは決して派手な剣や刀は使いませんでした。その代わりによく使っていたのが木剣や木刀です。しかし、あの二人の木の武器トーロは本物に見えて来ますね。実は私も最近になって何とか木で出来ている武器の練習をしてみたところ、意外と難しいです。重さがないものを重力に任せて落下したり、太極勁を駆使して武器を宙に浮かしたりする感覚は、やはり相当の内勁を修得していない限りなかなか上手く演出できないです。自分の修行はまだ全然、足りていないことですよね。
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