
昨日のブログで言及した「太極拳論」ですが、他の流派や連盟と誰が作者であることについて議論する気持ちはまったくありません。あの有名な太極拳論に関しては実に様々な解釈があり、中国語古文をそのまま翻訳するところもあれば、日本語での漢文読みのままでホームページに掲載しているところもあります。わたくしは師呉英華と師馬岳梁がお話をしてくれた時のノートの元で解釈してみたいです。原文はおそらくほとんどの方がお分かりなのではないかと思いますが、わからない方は昨日のブログをご参照ください。
太極は無極より進化され、動と静の変化による絡みで陰陽変化の主宰であります。太極は動き出すと変化段階がはじまり、静止状態では平穏段階に入ります。太極的変化はいつも一定の比例の中で行われます。100%で例を挙げましょう。陰と陽はいつもどちらかが比較的に多いですが、一般的には55:45或は65:35位の比になり、極端にこれ以上増えたり減ったりはしません。陰が多い時は陽が少ないですし、陽が多い時は陰が少なくなります。100%を越えることはありません。
太極拳では相手が硬い力で攻める時、私達は柔らかい力で応対しましょう。相手の力が無くなった時、私達は密度よく相手に密着し自分のコントロールから離れないようにしましょう。相手の動きが速ければ私達も速く応じ、相手が遅い動きを見せれば、私達もゆったりした動きで応じましょう。このような変化は無尽であり、どれほど変化が多くても原理はこれ一つになります。
太極拳を学ぶ時は基本拳に力を入れるべきです。厳しい訓練を経ておけば太極拳基本拳の重要な意義が悟るようになり、太極勁(太極功夫とパワーの総合能力)の習得と応用が自然にできます。太極勁の応用について理解できれば、神明(自然に応用し脳の支配自在になる様)レベルへ昇華するようになります。どうやって神明という高いレベルまで上り詰めることが出来るのでしょうか、苦しみを耐えて修練することしかないです。そうすれば太極拳の秘跡的な部分に触れられます。
虚領頂勁は頂頭懸(首を伸ばすこと)を守ることです。太極拳を修練する時は顎を僅かに引くようにしましょう。体は真っ直ぐ状態を保ち、力んではいけません。力むと全体が硬直になり動きが制限されます。気沈丹田は私達の動きや内勁を収斂することになります。体内の気を動かす時は落ち着きさが大事で緊張しないようにしましょう。そうすると自然に腹式呼吸になり、気(体内のエネルギー)が全身に充満するようになります。体を常に真っ直ぐに保ち、どこかに偏らないようにしましょう。すべての動きについては虚と実をはっきり分けるようにしましょう。手でも足でも重心を均衡がとれた状態に保ちます。
重心の前後高低を問わずどの状態でも均等状態が大事です。まるで精密な天秤のような体作りをしましょう。僅かなアンバランスも許されないのが太極拳です。そうすると相手の攻撃を上手く避け、相手の自らの重心を失うことで簡単に勝てます。これの理由は、相手は私達の力の応用が理解できず、私達は相手の弱点を知っているからです。簡単に勝てますね。
中国武術の流派はかなり多いです。それぞれに特徴がありますが、一般的にはパワーがあるものはパワーがない者に打ち勝ち、速い者が遅い者に勝つことになります。これは先天的条件と自然的条件に関係しておりますが、力学で変えられるものではありません。
所謂、「四両抜千斤」は当然のように力で勝負することではありません。年寄りが数人の一般人とも対抗できることは、速さでの勝負は不可能です。太極拳は天秤のように立つことを重んじ、真っ直ぐな姿勢を保ち、動きは車輪のように円滑であることを要求されています。僅かな偏りもいけないです。体が偏れば重心を不安定になります。「双重」(同時に二つの重心を有すること)もいけません。双重は体の滞りの原因になります。ある方々が普段、かなり頑張って修練していますが、いつになっても太極勁の要領を掴めず、簡単に他人に押さえられてしまいます。考えてみると真っ直ぐな姿勢と、円滑な動きを理解できておらず、逆に「双重」に縛られてしまいます。このような状態を変えたいのならば、虚と実の関連性をもっと探るようにしましょう。相手の強い力に対し柔らかい応対と相手の力が無くなって私達が緊密にべったりとくっついていくことは高い関連性を持っています。虚と実を悟ることのみ太極勁を徐々に理解できる近道です。太極勁を悟れば少しずつ上級レベルに近づけます。修練者はこの中の要領を研究すれば熟練に使えます。正しい練習法が大事です。そうすると効率良く実力を上げることができます。
太極拳長拳を修練する際は川や海の浪にように連続して止まることのないようにしましょう。つまり①、貫くことです。不完全な動きと中断する動きは禁物です。②、定時定量ということです。太極拳の途中に十三勢は掤、履、擠、按、採、挒、肘、靠です。これは八卦のことで四つの方角と四つの斜めの方角を指します。進、退、顧、眄、定は五行です。
この理論は張三豊先生が残されたものです。道家の修練術であります。すべての修練者に養生の方法を示されましたが、武術の技術的な話しではありません。
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