
研究会を立ち上げて一年半を過ぎたところですが、教室の会員はいくらか増える傾向にあります。しかし、私は今日の日本の経済状況などを考慮し、特別に入会費を頂いているわけではない為、辞めることも割合に簡単に出来てしまいます。これも私の一つの工夫であります。この世には性格や社会経歴がまったく同じ人間は一人もいないはすです。どうしても教室を辞めたい方に対しては無理して残させることは人様には失礼です。勿論、日々、ストレスの中での太極拳でしたらよい勉強もなかなかできないはずです。今年の春にもこのような話題をしましたが、見事に辞める会員さんがいました。まあ、どうしてもやめたいならいつかは辞めます。学びごとには自由がありますからね。まして、私は研究会の中でできる限り皆様に圧力を与えたくないことを常に皆様に声をかけ続けてきました。今日になって皆様も大胆に私に意見を言えるようになり、私はこれ以上に嬉しいことがないと感じております。先月だけでは研究会の方から6件のご意見も頂き、八月に入ってからは研究会料金微調整の為に、3人の研究会の方より、沢山の大変貴重なご意見を頂きました。このような和気藹々な研究会の継続はおそらく、私が今後もいかに頭を下げて皆様の日々の修練を道教哲学的にバックアップできるかにかかってしまいますね。
数人の方と相談を重ね、日本や中国のような古典的な国に於いては敬老はいつの時代も美徳とされている為、ご年配の方にはできる限り早いうちに割引をして差し上げることで今月から鑑泉割引を開始することになりました。割引率は僅かな数字ですが、元々、当研究会月謝が低めに設定していることからすれば、私は自画自賛でかなりの努力と自己評価をさせて頂きます。この割引きですが、当呉式太極拳創始者である呉鑑泉先生がなくなった時の72歳と定め、72歳の誕生日を過ぎたすべての方に適応する規則です。呉鑑泉は一型糖尿病を煩っていまして、当時の中国では西洋医学がかなり遅れており、糖尿病に関する専門知識もほとんどなく、第二次世界対戦の真っ只中とのこともあって医学品が中々入手できない為、たったの72歳で他界をしました。私達は今日のモダン社会において、72歳はまだまだかなりお若いですが、呉鑑泉を越えたという素晴らしいことと、若い研究会の方に敬老を意識して頂ける為に、御月謝の割引を敢行しました。(近日中にホームページにも反映します)
そして、私個人としては常にご年配の方々の背中を見ながら自分の道を歩むように努めています。その方々がそれぞれのご自分の人生に中で沢山のハードルを越え、沢山の人との接し方の経験を積んでいることは間違いありません。そして、この平成元年に来日した外国人は今年、26歳になったばかりのつもりで目上の方やご年配の方々と付き合っている気持ちはおそらく今後も変わらないと思います。まして、世界文化遺産級の私が40年間も修練し続けてきた太極拳に興味を示される方々は自分にとってこれ以上にない素晴らしい人格の持ち主であることで間違いありません。
道教の人物は皆、神話の中から再び出てくることが非常に多いですが、皆様がご存知の道教の創始者のような人物である老子も神話の中では太上老君の十八代化身であると言い伝えられています。神様ですね。そして、どの宗教も同じですが神様が人間界にやってくるとその人間は決まって偉大な人物になりますし、何かの偉大な文献を残して去っていきます。老子は道徳経ですね。太極拳はこの道徳経を元にしてできたとの説もあります。でも、皆様は老子の名字は老と思っているのでしょうね。違いますよ。老子の名前は李耳です。字(昔中国人の別名)は伯陽です。李耳さんは生まれた時に何故かお爺様の顔をしていた為、その村の人々は李耳のことを老耳と呼ぶようになりましたが、そして、中国では文学かや思想家のことに対して「子」という敬語(孔子、孟子)を用いる為、老耳は皆に老子と呼ばれるようになりました。考えてみると、神様は人間界に智恵を伝道させたい時にはいつものように天上の神を人間界に遣わしたりしますが、その姿も宗教のモチベーションによって決まります。道教の神様は伝道のお仕事を一人の老人の顔を持つ方に託すことから、道教ではご年配の方の成熟度を常に高めていることがしみじみと伝わってきますね。ご年配の方々は私達よりもずっと沢山の智恵を持っていることは間違いないはずです。そして、私達が今日のご年配の方々の年齢になったところで、その方々に負けずとも劣らない人間力が身に付いていることを切に願っています。
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