歌舞伎の管理
- 2014/12/18
- 01:24
私が儀兄の坂東弥十郎より色々と伺ったところで、日本の歌舞伎家元管理の徹底に本当に頭が下がります。今日ではこの家の人間ではない限り、正式な舞台に上がることは殆ど許されていません。勿論、どこかで歌舞伎を教えたりすることは不可能です。これは日本の伝統芸術に対する姿勢でもありますし、歌舞伎自体の厳しい管理でもあります。歌舞伎の家元ではない芸能人がいきなり銀座でクラブを構えて歌舞伎を教えてもおそらく歌舞伎界で必ず文句が殺到しますが、太極拳の世界では例えば誰か芸能人が横浜中華街で呉式太極拳教室を開いてもこの私でさえ文句は言えません。
太極拳はもう遠い昔から家元管理ではなくなりました。おそらく一番最初にC国で公に太極拳を教え始めたのが先師楊露禅先生でありましょう。よって、今日では楊式太極拳がC国だけではなく、世界的においても一番の人気を誇っています。しかし、今日では太極拳教室は世界中に広がり、国によってはすべての太極拳えお教えている人間は大師級、巨匠級の凄さで、芸能人や有名人さえ太極拳教室を経営してしまう程に競争が激しいです。今日の太極拳家元ではもはや特許を申請することもできませんし、もともと、公に太極拳を教えることをはじめた頃では今日のように誰も彼も太極拳教室を立ち上げる戦国時代のことを予測していないでしょう。今になって心配しても手遅れです。まして、海外の国々で起きている激しい競争はC国国内とはほぼ無関係であり、そこまで手を伸ばすこともほぼ不可能です。顔外の芸能人や武人は某大師と一緒に写真を撮ったこととご本人の人気では正真正銘に本格派と評価されてしまいます。
日本では歌舞伎のように家元管理がしっかりとできていない分野では色々な詐称が存在しているようです。音楽の世界もそのようですね。先程、作曲家の方とお茶をしたところで色々と伺ったのですが、音楽の大国であるドイツで有名音楽家の集中講座に出られたことで帰国後に音楽教室を開き、そのプロフイールには堂々とドイツ留学と某巨匠に師事と出ていたそうです。武蔵野音楽大学付属短大卒の方なんかは平気でFACE BOOKで武蔵野音楽大学卒と明記しているようなことはもう全然珍しくないようですね。そして、その教えはけっこう間違いだらけのようで作曲家の先生もびっくりしていますね。
日本武道の先生よりも詐称が多いと伺っていましたが、もはやどの業界も詐称が起きているようですね。まあ、いいかというふうにしてごまかしたい気持ちはありますが、しかし、本物とまったく違うものが芸能人や有名人によって広がれてしまっても困るのは真面目に太極効果を考えている方々や武として太極と真剣に向き合う方々です。先日、親友であり日本の大先輩であり、日本の色々なことを教えてくださっている山田英司先生が真剣に練功しているものでしたら本物か偽者かをみればすぐにわかるとの見解を示されましたが、私も同感です。では、わからない民間人の方が見ていて何もわからない為、どれも本物に見えてきます。ならば他の要素でその教室の真価を決めてしまうことになります。イケメンとか体型とか…若さとか知名度とか…、そして、関西の日本武道の先生のご意見では、この人にとって、この教室が幸せに感じているのならば、これでその方は幸せであります。私は人々の幸せを奪うことは不道徳だと思っておりますが、少なくとも真と偽を語る自由は私もございます。命ある限りこれを語ってまいります。
(↓ランキングに参加しております。クリックしてくださると幸いに存じます。宜しくお願いします。)

にほんブログ村

太極拳 ブログランキング