修行者同士の共通点
- 2015/03/17
- 00:28

私の教室に日本武道の方が多く在籍していることはもう秘密ではありません。そして、私があまり理解できない日本武道のことも簡潔にお答えしてくださいます。私もできる限り太極拳を教える時間を使わずに簡単に質問をしております。勿論、このわたくしの太極拳教室にいらっしゃる位ですので、直ぐに結果がでないことは皆様が重々承知しているはずです。これでもよいと何故か太極拳をやりたい方がいますね。中には空手の方が多く、黒帯がほとんどです。わたくしも解り易くする為に時間が許す限り空手の色々な動画を自分の目で見ております。そして、何かの共通点を見付けるとできる限りそれを太極拳の勁路と比較して説明に当たっています。武道家が沢山いらっしゃるなら適当に教えることは直ぐにばれると、私は奥のプロの方々の中で教えることによって自分自身の成長をも図っています。そして、多くの武道家の共通点は修行者とのことで喜びや憂いも何となく共通しております。
空手のプロの皆様が一番心配していることと言うと、本当に沢山の流派ができたことと、2020年五輪で空手が競技種目になったら人々が空手に対するイメージがかなり変わってしまい、高い得点を得る為の競技種目が主流になってしまうことです。これは正直に申しますと太極拳も現在、多くの国においてこのような現状になりました。私はこのような当たり前のことに関しては意外と誰よりもけろっとしていますね。太極拳の世界で伝統と競技の歩みより積極的に呼び掛けていますし、共有できない時はなるべくして対個人ではなく、対出来事への意見を述べるようにしております。しかし、心配していないわけではないです。太極拳の空手の共通点が何となく似ていまして、国が違っても政治や政党が違っても何故か似たルートを辿ってきたことは、人間社会の発展の必然的な結果であることが最近になって悟ってきました。
こうなれば、修行者同士の共通点は武に対する感覚以外に近い憂いごとが上げられていることは実に皮肉です。言い換えれば、武でもって一種の自己満足を果たす為のこともあれば、時代が進むことに連れ学歴や資格が就職の決め手であることで一番資格を必要としない分野では一般的に人気があります。日本武道も中国武術も、そして整体業も基本的に免許というものを制定することは難しく、逆に免許制度がある分野の中でも有免許者の実際の実力もかなりのばらつきがあり、国によって専修学校も大学も修得する内容が大きな差が存在しているはずです。国際的に有名大学のランキングは確かに毎年のように入れ替わっていますが、一流大学から出たと言っても必ずよい職に就く保証はありません。ならば、世界の就職難で、自然と免許が学歴を必要としない分野に就くことが誰もが簡単に理解できます。日本の高度成長期では実は今日ほどの沢山の武術や空手教室が存在していなかったことは一部の同僚と調査でわかっています。景気の低迷が人々を駆り立てていることを理解することもあまり難しくないでしょう。
太極拳となると基本的に事故さえなければ基本的に成り立ちます。そして、一定のお金で連盟が出されている資格でもとっていれば、国家試験ではないですが民間の伝統種目とは一線を画っする程の優勢にはなります。地元では連盟の指導員資格を取得している方は40数人だと伺っています。東京都の中でもかなりの貧乏地域でも今日では公的施設の予約表を見てみると色々な名前の太極拳教室が並んでいますね。「ゆるゆる、よろよろ」から「ばらばら、ぼろぼろ」までです。全国の太極拳教室を並べていればおそらく50音のすべてで埋まってしまいますね。しかし、私がこの状況を空手の先生に語っていたら、先生の皆さんは空手教室がもっと多いとおっしゃっています。そして、冒頭の2020年五輪正式種目になれば空手がイメージ替えとの話しが続いていましたね。
考えてみたのですが、今日では日本社会で競争の激しい業界はいくつかありますが、ラーメンと整体に続いて、空手も一つ上げられているようですね。資本主義社会では基本的に競争がすべてですが、あまりにも多種多様で偽物も沢山混ざってしまえば、素晴らしい文化遺産に傷つくことはいつの時代においても心痛の限りです。これは武術も武道も芸術も同じです。勿論、免許のいらない業界での競争の激化は長い間の景気の低迷にも関係しています。日本が一日でも早く谷底から脱出できることを心より願います。
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