懂勁の入り口
- 2015/05/09
- 00:33
私は今日、日本国で30数人の一般の学生を有しています。勿論、一番長い方でも丁度、2年になったところでございます。2年前にこの研究会を立ち上げたわけですが、このような異色的な武術と健康を訴えている人間が日本では無理だろうと、自分自身も難度も諦めかけた訳です。そして、色々とわけがわからない問い合わせも耐えなかったのですが、例えば、「日本では推手は某先生ですが、沈先生も有名な某先生から推手を学ばれたのですか…」とか、そして、自分は馬岳梁という人間より推手を学んだと答えると、電話の向こうでは、この馬という人間は日本人ですかとか、聞いたことがないとか、色々と長電話をして、最後に教室の料金の話題になり、いくらですよと答えると、高過ぎると言って、お金を儲かったらまた電話するねと、気がついたら知らない内に電話が切られていたこともけっこうありましたね。考えてみると2年で30数人では宣伝と営業は決して良くないですね。これは全日本のシードやメダリストの方の一つの教室の人数よりも少ないと思います。しかし、連盟の級も段も指導員資格も持たない人間で、伝統でありながら日本全国で支部を一つも作っていない人間のことを考えると、まあまあの成績ではないでしょうかと思います。そして、御陰さまで自分の教室で固定している方は真面目な方がほとんどであり、一人ひとりなりにこのような異色的な太極拳を頑張って修練しています。
考えてみると私は母国でも色々な人間を教えていましたが、自分自身が教えた人間で懂勁の入り口どころか、外家拳のように太極拳や推手を覚えた人間もほとんどいませんでした。しかし、日本での約人年間ですが、先日に確認したところで一名の方が内面的な動きを若干感じており、これはどう考えても一応、懂勁の入り口に立っているに違いがないと判断することになりました。その方は今でも太極拳が極めて正確とも言えませんし、高齢者である為身体能力もそんなによくもありません。しかし、毎日のように慢架の修練を続け、欲張らないでご自分は取り敢えず、慢架と推手のみでよいと主張しています。そして、先日の推手練習の時に私の動きに対して、小刻みに断続的な動きとは言え、腰椎による連動っぽい動きでついて来る勁路を感じています。太極十三勢の勁はすべて「松静反応」の一種であり、腰椎の誘導で相手の動きについて行くことは簡単そうでなかなか実現できるものではないです。その方はまだ、骨盤の動きや肩の動きが残っており、体の色々な不自然な動きを極限に減らせば懂勁の初期段階位のレベルまでは夢ではありませんね。
そして、昨日は私の完全オフですが、リラックスしながらその方のことをかつて、自分が知っている懂勁以上の修練者のことを照らし合わせてみたところ、びっくりする程の共通点がありました。これは、慢架を沢山練習する方です。慢架は太極拳のすべての基本であり、慢架の中で太極拳のすべてが含まれていることは確かですね。間違いは当たり前です。間違いと上手く付き合える方は懂勁に近いでしょう。
中国という国の民族個性により、多くの文化遺産が本来のあるべき解釈の仕方より乖離していることは世界的に知られています。これは伝統太極拳と制定太極拳の両方に起きていますね。本物とかそうではないとかの問題以前に、人間力のアップが太極修練にいつも大きく影響していることは、私がこの2年間に一番感じております。当然のように自分も今後は教室の皆様と同じようにして、人間力のアップに努めなければ、師範の資格を失ってしまう可能性は大ですね。頑張ります。
(ランキングに参加しております。クリックしてくださると幸いに存じます。宜しくお願いします。)

にほんブログ村

太極拳 ブログランキング